安倍晋三元首相撃たれる

 平和な(?)国と思われている日本で、元首相が撃たれるという事件が7月8日お昼に起きた。今朝はイギリスのジョンソン首相が閣僚の度重なる離反と官僚の辞職表明を受けて、与党内での支持がなくなったことを受けて辞意表明をしたというニュースが流れ、お昼には日本国内で元首相が撃たれるというニュースが報道された。

 

 残念ながら、暴力で政治は変わらない。というよりも、今回の暴力は、結果的に与党自民党に有利な状況を生み出すだろう。参議院議員選挙投票2日前、世論は自民党政権に同情的な投票行動を行いそうである。いついかなる場合でも、暴力で言論を封殺してはならない。暴力を認めてはならない。

 

 今回の事件がなくても。参議院議員選挙自民党公明党有利のうちに投票日を迎えようとしていた。それがテロ行為が起きたことで、どのような影響をもたらすか。犯人の供述を待って、犯行動機を確認してもらいたいものである。

 

 それにしても、防衛予算拡大(5兆円あまりから10兆円あまりへ、GDP比にして2倍、2%を限度とする)というような主張がいつから登場してきたのか。コロナ禍の大盤振る舞いもあったものの、国債発行残高は1000兆円を超えて、財政規律を守るべくうるさいほどの歳出制限がいわれていたはずが、コロナ禍騒動がおさまると、ロシアのウクライナ侵攻が起こり、安全保障問題が浮上して、防衛費を抑制していた蓋がなくなり、タカ派の人々を中心に安全保障費は聖域になりつつある。ハト派の岸田首相も、すでに2%までは容認するような勢いである。

 

 コロナ禍で仕事を失った人々に対する支援は、まだこれからも続く。年金減額問題も、新たな貧困者を作り出す。社会保障費や教育費にかける歳出も増えるばかりである。防衛費が突出すれば、その余波はほかの予算を圧迫する。それでは、将来の日本を支える人材に回すお金も出てこない。

 

 お題目を並べて、湯水のように使える予算をねん出できれば、問題は少ないのだろうが、現実は極めて乏しい財源しかない。それを優先順位を明確にして予算を組んで、メリハリの利いた行政を実践しなければならない。選挙は、その優先順位を最終的に決める場ではないのだろうか。その権利を保育する人が多いから、日本は衰退の道をたどっているのではなかろうか。可能な気切り、参政権を行使したいものである。